🦉定期建物賃貸借契約（建物明渡請求）

【2022年10月】〇〇号　法廷

／正面：書記官🙍・裁判官🙎

／左： 原告（賃貸人）👦・・・訴えた人

／ 右：被告（賃借人）👩・・・訴えられた人

／被告👩は原告👦の所有する不動産の借主、原告👦は貸主。 両者は知人の関係。

／ 争点　原告・被告間で締結された定期建物賃貸借契約の有効性

(経緯)　🦉

当該不動産は、数年前に被告👩が購入を検討した物件です。しかし、当時、被告👩には購入資金の目途が付かなかったことから、被告👩は知人であった原告👦に、将来、被告👩が原告👦から買い戻すことを条件に、当該不動産の代理購入を依頼(被告側主張）しました。

原告👦は被告👩の申し入れに応じ、当該不動産を購入後、被告👩との間で、原告👦を賃貸人(貸主）、被告👩を賃借人(借主）とする当該不動産の定期建物賃貸借契約を締結しました。(被告主張)

今般、被告👩の買戻し資金の目途が立ったので、被告👩が原告👦に対し買戻しの交渉を持ち掛けましたが、不動産相場は上昇しており、原告👦との間で金額が折り合いませんでした。

原告👦は被告👩に対し、定期建物賃貸借契約の期間満了を理由に被告👩の当該不動産からの退去を求めて提訴しました。

被告👩側としては、本来、当該不動産は、将来の買戻しを条件（原告と被告の間にこれを約する書面は存在しないそうです。）に原告👦に代理購入を依頼したものであること、当該不動産の定期建物賃貸借契約の事前説明（書面は不明）は一切受けていないことから、原告👦が主張する定期建物賃貸借契約は無効であり、従って原告👦による退去明渡し請求は不当であると主張しました。

(傍聴した感想)🦉

本来、定期建物賃貸借契約は、契約締結前に定期建物賃貸借契約であることの事前説明を賃貸人が賃借人に対して書面で行うことを必要条件としており、今回の事件は、事前説明が行われたかどうかという点で原告👦と被告👩の主張が真っ向から対立しているため、難しいところです。特に、事前説明書原本が存在しない（事前説明書？の写真は存在する）こと、実際に最初の契約締結及び再契約締結時に事前説明が行われたかどうかの主張が対立することから、裁判官も本人尋問で、双方に詳しい説明を求めていました。

不動産市場は、新築・中古とも取引金額の高止まりの状況が続いており、そのことも買戻し交渉が成立しなかった一因と考えられます。原告と被告は知人同士であったことから、口約束だけ(通話記録・メール記録はあり）で、肝心の書類を残していないことも争いに繋がったものと考えられ、不動産に関わる約束事は必要な書類を必要な手続きで行うことの重要性を再認識させられた事案です。

（※内容を一部曖昧にしています。）